ハーネス特別教育を2018年11月から始めています。愛知労働基準協会、名古屋南労働基準協会等からの依頼を受け、かれこれ50回を近く重ねています。特別教育ですから受講すればそれで目的は達成されるわけですが、受講者の中には落下距離について非常に疑問、不満?があります。建設業の中ではハーネスと胴ベルト両方を着用し高さによって使い分けるように作業手順が作られています。しかし、片方でも重い中両方の着用には高所での自由を束縛するなどかえって危険を伴います。その中私としてはハーネスだけで対応できないか、そういう思いで講習会をしてきました。落下距離については特に丁寧に説明しています。説明はしていても実際はどうなのというところまで踏み込めません。2019年10月になりポリテクセンターの実習場をお借りして実際はどうなのかを追求していきたいと思っています。
安全衛生 8月 3
8月も終わろうとしている。夏の間は熱中症、体力消耗による意識低下など安全を脅かす環境になる。屋外で作業を継続する場合は定期的な休憩が必要になる。また、飲食・睡眠等体調の管理に気を遣うことが多くなる。これに加齢が加わると更に大変である。労働安全衛生の中で個人のレベルでの管理にも言及しなければならない時代になっている。労働安全衛生担当者には頭の痛い話である。こういうことも含めて管理していかないと安全は保てないのである。
安全衛生 8月 1
8月3日倉庫管理主任者の講習会があった。「労働災害の発生防止について」という内容で1時間講演した。安全教育の重要性を語った。安全の話になると寝ている人が多くなるが1時間しっかり聞いてもらった。170名が参加したが、次回は2月8日に行う。
安全衛生 7月 3
安全衛生の歴史は交通機関の発達とともに変遷してきた。交通機関の目的は安全に目的地に着くことばかりではない。短時間で着くこと以外に快適であること、楽しいこと等も必要とされる。安全を追求すれば当然このような要素が損なわれる。ETTOの考え方が出てきたのも科学技術が発達したあとの帰結である。技術の発達につれ安全を織り込みながら考え方を進め、決して安全だけを切り離して考えてはいけない。東日本大震災の後、”レジリエント”という言葉が取り上げられたが、このレジリエントな考え方こそがこれからの安全に必要とされる。
安全衛生 7月 2
技術の進展とともに安全についても考え方が変わってきている。一番顕著な例は新幹線と原発である。両方技術の発展の結果生まれたきたものだが、社会の受け入れ方が180度異なる。陸上の乗り物とはいえ時速300km以上の高速で走行するのは安全上かなりのリスクを伴う。にもかかわらず当たり前のように使っている。新幹線に乗るたびにいつも事故についての一抹の不安を感じるのだが、乗客はリスクをコントロールされていると考えている。ひとたび大きな災害が起きると英知を持って乗り越えてきている。原発で思うのは、大きな技術の進展には安全に対する真摯な取り組みが必要だ。
安全衛生 7月 1
安全教育の重要性は前回触れた。現在安全教育がされなかった弊害はどのようなところに出ているのだろうか?よくわかる例はバス事故を取ってみるとよくわかる。バスの利便性が向上していることもあり利用する機会も増えた。しかし安全については事故があるごとに運行会社に責任を求めることで終わっている。利用する側にも実は責任がある。安全はただではない。安全についてのコストを払わずに安全は得られない。廉価にはリスクがつきものだ。社会のシステムがバスの安全運行について見える化が十分でない面もあり、利用する側に判断が出来ることが難しいが、安全教育で補う事は出来るのである。
安全衛生 6月 3
暑い夏が始まろうとしている。この時期には熱中症が話題に上がるが、厚労省からも毎年警戒指示が出され事業所においては十分な対策が取られているところが多くなってきている。
振り返って見ると熱中症と交通事故については学校で指導教育がされていたように感じている。それに比べると安全については特別に教育を受けた記憶がない。就学時期に学科があったわけでもなく安全は空気と同じように当然に当たり前に存在しているようにその当時は感じていた。また、自ら能動的に安全について学び考えることがなかった。しかし、今日安全の重要なことは誰もが実感しているのではないだろうか?
原子力事故では「想定外」という言葉が一人歩きし思考が停止している。事故原因は一般に考えられているより深く複雑である。もう一度安全について学ぶ必要がある。
安全衛生 6月 2
港湾運送事業で船内の作業をするときに注目しなければならない重要な事がある。それは作業現場が水平でないことである。建設業では移動式クレーンの転倒が大きな危険要素と同じように本船の揚貨装置を使っての荷役には、たえず傾きが付きまとう。この事故事例で大きなものは最近ではセウォル号の転覆事故だろう。船内の貨物は傾いた側に動き更に傾きが増す。そして転覆する。
本船荷役で貨物を吊り上げるときも傾きがでて吊り上げたときに貨物を振ってしまう。また、吊り上げた貨物を本船内に振るときにも傾きが戻り貨物を振る原因になる。
港湾運送業の事業所でもこのことによる事故は発生している。